木剣で間断なく打ち込みながらも、まだ攻めが手ぬるいと思ったのか、リンクは相手の懐に飛び込んだ。確かに相手には一撃は入ったが、訓練用の木剣は鎧にはじき返されて決定打にはならない。
咄嗟に応戦されて鍔迫り合いになると、ぎりっと奥歯を噛み締めた。
「リンク! お前は力で無理に打ち伏せようとするな! 足を動かせ!」
「ハイっ!」
その時のリンクの相手をしていたのは三つ年上の騎士見習いで、あと一年もすれば正式に騎士に叙任されるだろうという先輩だった。だからと言ってわざと負けてやるほど彼の性根は曲がっておらず、果たして彼は負けず嫌いでもあった。
どうにか剣を押し返し、トンと横に飛んで脇腹を狙う。やり方が小狡いと言われても、小柄な彼に適した立ち回りと言えばこれしかない。身が軽く、相手の攻撃を見切ることにかけては誰もが舌を巻く。
でも本当は、こんな勝ち方をしたいわけではない。それは相手をしている先輩も、もちろん当の本人が一番よく分かっている。
――俺はちゃんと正々堂々と力で勝負したいのに。
結局その日も、長く続いた先輩との勝負で、勝ちをもぎ取ったのはリンクの方だった。体力もある、持久力はもちろん、相手の剣を捌く能力も、逆に相手の間隙を突く速度も、全てにおいてリンクの方が上回る。見習いはもちろん、成人の大柄な騎士と打ち合っても負けない。
ただ、圧倒的に足りないのは力だった。
「なんというか、惜しいんだよなぁリンクは。体がせめてもうひと回りでも大きけりゃ、とんでもない化け物だよ」
「俺はそんなんじゃ、ありません」
「とりあえず肉を食え、俺の分も食っとけ」
すでに十二歳を超えているはずなのだが、未だに十の子供と間違えられる。騎士見習いだと言っても信じてもらえず、城下町に使いに行っても相手にされずに夜まで粘ったこともあった。
寡黙な性格も相まって、全体的にちぐはぐな印象の拭えない少年。周りからの評価はおおむね良好、ただしあまりに出来過ぎるのでやっかみも少なくなかった。
その彼が、夜になるとひっそりと宿舎を抜け出すことを知っている者は多くない。木剣を腕の中に隠し持ち、こそこそと城の裏手に回り込んで素振りをする。
「もっと身長があればいいのに」
ひとしきり素振りをしてから、額から零れる汗を拭き上げる。見上げた夜空には大きな丸い月、汗ばんだ頬には心地の良い風が吹いていた。
彼がふうと、ひときわ大きなため息を吐き出した時、ポロンと、弦をはじく音が夜空から降ってきた。
「……竪琴?」
見上げた先には真っ暗な城の壁。いくつか小さくかがり火は焚かれていたが、その程度では見通せぬほどの闇が城の裏手には淀んでいた。
だから、いくらリンクの目が良く、夜目が利くと言っても、どこの誰が竪琴を爪弾いているのかは分からない。しかも音はあまり大きくはなかったので、弾いている人は城の上の方にいるのだろう。恐らく相応の身分の人であろうということは予想に難くない。
その、ぽろんぽろんと所在なさげに爪弾かれる竪琴の音は、決して上手と言うわけではなかった。たどたどしい手付きなのは、楽の心得がないリンクでも分かる。
ところが彼は竪琴の音のする方向を必死で見上げていた。そして唐突に、喉の奥から声が出た。
「――――」
それはおそらく歌詞らしきものだった。
声に出してみた本人ですら、どうしてそれがその曲の歌詞であるかを理解せぬままに、一節だけ歌う。
汗で冷えた頬につぅっと涙が一筋伝った。
「あ……」
熱い刺激にようやく我に返り、リンクは慌てて木剣を掴んで逃げ出した。誰も使わない狭い抜け道を風のように駆け抜ける。訓練では息切れすら起こさない体が、空気を求めてハアハアと大きく肺を動かした。
――何だこの感情は。
足音も扉を閉める音も意に介さず、一目散に硬いベッドに滑り込んで体を丸めて耳をふさぐ。当然、竪琴の音は聞こえないのに、旋律が耳について離れなくなっていた。
「あの曲、知ってる」
母が歌ってくれた中にあったのか、それともどこかの神殿で聞いたのか。必死に手繰り寄せた歌詞を、頭の中で幾重にも反芻しながら眠りについた。
その夜の夢は、ずっと詩と一緒だった。
でもリンク自身が歌うのではない、彼は爪弾く側だった。合わせて誰かが歌っている。彼女の声を聞いて、全ての歌詞を体が覚えていく。繰り返し繰り返し、歌詞の全てを体覚えるまで歌う。
目が覚めるころには、すっかり詩の全てが記憶の中に刷り込まれていた。
その日以来、真夜中に城の裏手に素振りをしに行くと、決まって大きな満月の夜にはあまり上手ではない竪琴の音が聞こえてくるようになった。合わせてリンクは歌った。
元から歌が好きだったわけでもないし、誰か師事したこともない。それでも体を揺らして腹の底の方から声を出すのは気持ちがよかった。
歌い終わってみて、ところが観客がいないのでしょうがない、自分で拍手を上の方に向かって贈る。はるか頭上にいるやんごとない誰かに向かって、たった一人分の称賛を贈る。顔も見えないのだから怒られないだろうと高をくくって。
すると竪琴の主は、いくつか節を奏でながらもう一度同じ曲の最初に戻った。
「同じ曲しか歌えないの、バレてるのかな……?」
それを何度か繰り返す。大きな満月が山の端に沈むまで、何度も二人で同じ曲を繰り返した。
そんなことが幾度か続けば、歌う方も、奏でる方も、相応に上達する。
三度目の満月が巡るころになると、月夜に竪琴を持った歌う少年の亡霊が出ると、城の中では噂になっていた。亡霊を見た者は少年のとりこになるだとか、まことしやかなうわさ話まであって、人々は夜毎に少年の亡霊を探そうと躍起になる。
「今夜、探しに行かないか? その竪琴の幽霊とやらを」
リンクも先輩の見習い騎士に誘われはしたが、少し考えるふりをしてから首を横に振った。
亡霊の正体が自分であると分かっていたこともあるし、見つからない理由が竪琴と声がそれぞれ別のところに居るということも知っていた。それに何よりも、あの竪琴の主を探す気になれなかった。
探し当ててしまったら、もう一緒に歌うことが出来なくなる気がしていたので。
「本当に亡霊でしょうか」
「どういう意味だ?」
「亡霊なら暴いてしまう方がよっぽどかわいそうな気がして」
妙なことを言う奴だと呆れられたので、それ以上は何も言わなかった。放っておいて欲しいという言葉を飲み込んで、次の満月を待つ。
昼間の勉学に剣の修行、礼儀作法に加えて騎士たちの下仕えをするのも、リンクたち従卒や見習い騎士の仕事だ。そういった昼間の喧騒を全て終わらせて、月夜にひっそり歌うのはすこぶる気持ちの良い隠し事だった。
バレたくはない。しかし時間の問題だろうというのも、聡い彼は理解していた。
いずれ事態は露見する。
そろそろ潮時だろうかと思いながらも、期待に胸を膨らませていたある満月の夜。竪琴の主は現れなかった。
音が降ってこない。
あれほどたどたどしかった琴の音が、恋しくなる時が来るとは思ってもみなかった。試しに一人で口ずさんでみても、竪琴の主が居なければ心もとないばかりで、自然と声が出なくなる。
「あの人、見つかってしまったのだろうか……」
見上げた城の裏手はやはり闇が濃い。
その中に、淡く光る何かがふんわりと舞い降りてきた。四枚の羽根が月光を反射して、小さな月のようにも見えた。
「妖精なんて珍しい」
故郷のハテノ村の周りではよく見かけたが、ハイラル城の中で見かけるのは稀だった。
思わず手を伸ばし、やんわり包み込もうとしたのだが、妖精はリンクの指の間をすり抜けた。
「あ、」
今までの緩慢な動きが一転し、滑るように飛んでいく。
「待って」
駆けだした彼の足は止まらなかった。
妖精が城壁の小さな割れ目を抜けたことも、不思議な霧に巻かれていることも、あるいはカラコロとコログたちの呼ぶ声が大きくなっていることも、一切気が付かないまま走り続けた。
その先で、彼はひと振りの剣を抜く。
次の朝早くから城の中は、上を下への大騒ぎとなった。
数年前に厄災の復活と共に予言された勇者の出現がようやくなされたというのに、当の勇者は未だ見習い騎士になりたての少年。しかし持ち帰った剣は間違いなく退魔の剣であり、他の誰もが認めることとなった。歳にかかわらず早く騎士に叙すべきだと推す者まで現れて、国のお偉方は紛糾していた。
一方の当人は、幼い成りに似合わぬ落ち着きだったので、大人たちは「これが退魔の騎士の器か」と舌を巻いた。
と言うのが実は表向きで、実のところ、当のリンクの頭の中は月夜に現れなかった竪琴の主のことでいっぱいになっていた。そんなことで落胆しているなんて、周囲はもちろん、当人ですら気が付いていなかった。
彼は退魔の剣を抜いたこと自体は「とんでもない事態になった」とは理解していたのだが、だからと言ってどうすることもできないと達観して物事の推移を見守るばかり。それよりも、ぽっと空いた時間があると、竪琴の主が現れなかったことの方ばかり考えていた。
それからしばらくして、ある朝、体を起こしたリンクは「ンっ」と珍しく咳払いをした。
「風邪……?」
風邪どころか、喉が痛くなることがまずないので、それが何なのか本人も良くは分からずに数日放置していた。熱はない、ただ喉が少しいがらっぽいだけ。
だが何日経っても、がんばりハチミツアメを舐めても、いくらうがいをしても一向に良くなる気配がない。喉が掠れて声が出づらい。痛いことはないが、なんだか変な感じ。
そんなことが一週間も続くと、いよいよ可笑しいと思った彼は、ひっそりと医局を訪ねた。
そこで壮年の医師にひとしきり笑われた。
「そりゃあ、お前さん、声変わりだ」
「こえがわり……?」
「退魔の騎士が、声変わりも終わらない少年とは。この国は本当に大丈夫かね」
白衣を着た医師は悪気なさそうに笑ったが、思わずリンクはムッと睨み返す。すると医師はさらに声を上げて笑った。
「悪い悪い、気にするな。オジサンのたわごとだ」
言いながらも医師は、念のため彼に口を開けさせて喉の様子を見て、それでもやはり問題が無いと分かると、後はもう時間の問題だと答えた。
だが違和感の拭えない彼は「んーっ」と口を噤んで考えた後、わずかに首を傾げる。
「先生。どうして、声変わりするのですか?」
「その質問は、仕組みの方か? それとも原因の方か?」
「どちらも」
「欲張りなやつだ」
胡麻塩頭をガリガリ掻きながら、医師は戸棚にある医学書を手に取る。ぱらぱらとめくってみてから、人の頭の断面図を見せた。
「声ってのは、この声帯という部分を震わせて音が出しているわけだ。これの形がお前さんぐらいになると、男は大体変化する。すると声が変わる」
「変化?」
「竪琴を見たことあるか」
城の裏でリンクが竪琴に合わせて歌っているとは、この医師はまさか知るわけはない。だがあまりにも唐突過ぎて彼はびくっと肩を震わせる。
悟られないように、すーっと視線を下にずらすと、こくんと頷いた。
「何となくは」
「ふむ……まぁ竪琴に限った話じゃあないが、弦を張る楽器は皆、弦が太ければ低い音が、細ければ高い音が出る。それと同じで、声変わりってのは声帯が長く太く変化するから、それに合わせて声が低くなる。これが仕組みの方だ。で、その太くなる原因はだな……」
「先生、じゃあ俺は、高い声が出なくなるんですか?」
普段から彼は、人の声を遮ってまでしゃべるような少年ではなかった。
ただこの時ばかりは、見開いた青い目が茫洋として前のめりになっていた。
「もちろん高い声は出なくなる」
「出なく……」
「声が低くなって、喉ぼとけが出てくる。それから身長も伸びるし、筋肉も付きやすくなし、あと毛も濃くなる、嫌って程な。お前だって見習い騎士なら、もっとガタイが良くなりたいとは思ったことぐらいあるだろ、ええ? 普通は大人の男になるってんで、喜ぶんだけどなぁ」
そうですか、と気のない返事をして、リンクは医局を出た。
確かに、ずっと人並程度の身長が欲しかったし、鍔迫り合いで負けないぐらいの筋力が欲しかった。いくら鍛えてもそういう体質なのか腕の太さでは負けていたし、女顔だと馬鹿にされることも多い。
でも。
「そうか。俺、もう歌えないんだ」
体の変化が、思ったよりも速い。分かっていたのなら、あの夜、一人でも歌っておけばよかった。
次の満月は来週。もう一度行ってみようかと迷っていると、背中の剣が誰にも聞こえない声で「是」と答える。
それで理解に至った。
「そうか。お前を背負うために、俺は歌えなくなったんだな」
歌詞を覚えた夢の中で、リンクはずっと竪琴を爪弾く側だった。歌っていたのはたぶん女性。リンクに向かって何度も歌詞を教えてくれているのだと思っていた。
だがあれは教えてくれていたのではない。彼女は一緒に歌おうと誘っていたが、リンクはもう歌えなかったから竪琴を爪弾く側になっていたのだ。
だとしたら、現実で竪琴を爪弾いているその人も、以前は歌を歌っていたのだろうか。あるいはもうあの歌を歌えなくなってしまったのだろうか。
大きな満月の夜、マスターソードを背負ったまま城の裏手へ行ってみた。
いくら待っても、やはり竪琴の主は現れなかった。
「しょうがない。俺もそのうち歌えなくなる」
口を開けば、あれほどすんなりと出ていた声が、掠れて刃こぼれした音しか出てこなかった。綺麗とは言い難い。むしろ出会った頃のたどたどしい竪琴の音によく似ていた。
それでも竪琴の主がどこかで聞いていてくれたらいいと体を揺らす。
声は出ないが心地の良い晩だった。
しかし、草を踏む音が間近まで来たところで、口を閉じる。
「知っていたんですか」
「いんや、医者の勘ってやつだ」
声変わりを指摘した壮年の医師が立っていた。白衣を着ていないところからも、医師が仕事できたわけではないと言うのが分かる。
だからリンクの方もとやかく言わず、口を噤んで壁に背を押し付けて月を見ていた。
「竪琴はどうした」
「別の方が。でももう現れないようです」
「なるほど、退魔の騎士殿は名前も顔も知らない竪琴の姫君に恋をしたわけか」
ただ懐かしい調べだったから、詩った。それ以上に意味はないと思っていただけに、医師の質問はリンクにとってはいささか難儀だった。
違うと答えれば照れ隠しと思われ、そうだと断ずるほど自分の気持ちがはっきりとしているわけでもない。
ただ、彼は歌いたかった。
「……そんな大層なものでは」
「生きてりゃ、そういうことの一つや二つや三つや四つ、あるってもんさ。ま、お前さんみたいな色男候補生だと、両の手足でも足らないかもしれないがな」
「からかわないでください」
「大真面目さ、これでも若い頃はそれなりにモテたからな」
意地の悪い笑みを浮かべて医師はリンクの横に腰を下ろす。同じ方向を見て大きな満月にため息を吹きかけた。
「この間は質問の半分だけで帰っちまったろう?」
リンクの方が何のことだと首を傾げると、やれやれと医師は首を横に振る。
「声変わりの仕組みと原因、両方とも知りたかったんじゃないのか? だからこうして勤務時間外に、わざわざ辛気臭い城の裏手なんかに訪ねて来てやったんだ、ありがたく聞け」
立ち上がってみると医師は、リンクより遥かに頭二つ分ほど背の高い人だった。
そのままの勢いで月光を反射して鈍く光る麦藁色の頭をぐしゃぐしゃにする。ハハハと笑ってからポケットに手を突っ込むと、医師の視線は山の端にかかり始めた満月の方へとまた向いた。
「声が変わるのも、背が伸びるのも、筋肉が付くのも、全部お前の体が大人になるせいだ。これからお前さんは徐々にだが、大人の男に変化していく。声が変わるのはさしあたり、風を通す器が変わるってところかね。もう子供じゃねぇってことだ」
それは彼にとって、ある種待ち望んでいたことでもあった。早く大きくなりたい、強くなりたい。その衝動がどこから来るのかは分からなかったが、大人の男になるのは悪い話ではない。
でも一つだけ分からないことがあった。
「先生、背が伸びるのも筋肉が付くのも大人になる証なのはわかります。しかし、声はなぜ? どうして低くなるのですか」
雄のヤマシカに大きな角があるのは、その雄が強くたくましく雌や子供たちを守れる証だからだ。野生馬も体の大きな牡馬の方が、狼から仔馬をちゃんと守ってやれるから多くの牝馬を引き連れて大きな群れを作る。
だからこそ、リンクには分からなかった。
身長も筋力も、誰かを守るのには必要だから付くのは分かるが、低い声だけは何に使う物なのか。
それは、彼にとってはただの純粋な好奇心だった。
ところが答える医師は、またニヤリと悪い笑みを浮かべる。
「囁くためだよ」
「誰に?」
「好いた女にさ」
面食らった顔が、真っ赤に茹で上がるまでにはさほど時間がかからなかった。月明かりに耳まで真っ赤にして、若い彼はうつむく
「……からかわないでください」
「大真面目さ、これでも若い頃はそれなりに」
「からかわないでくださいッ」
「ハハハ。怒るな若人よ、残念ながらこいつは大真面目な話だ」
医師はまたひとしきり笑いながら、リンクの頭をぐしゃぐしゃにかき混ぜる。
面白がられているのは分かっていて、嫌な気分もかすかにしていたが、それでもリンクは先が気になって、ムッとしたまま医師の言葉を待った。
「鳥が春にさえずるのは、繁殖期だからだ。繁殖期になると雄が自分の雌を探して特別な声で鳴いて探すってわけだ」
「人間に繁殖期など、聞いたこともありません」
「その通り。人間は年がら年中繁殖期みたいなもんだからな。そこで一つ、歳食ったオジサンがいいことを教えてやろう。なぁに、声が低くなった時にちゃんとさえずるための教訓みたいなもんだ」
そこで彼は、非常に悪い笑みをたたえた医師にある言葉を教わった。
当然、信じて良いのかどうかも分からず、その場では大いに困惑した。若い彼には、それがどういう意味なのかさっぱり分からなかった。
ただ何となくいずれこの言葉を使うときがあれば、それはたぶんきれいな月夜で、隣には大事な人がいて欲しいなぁと。
寡黙な彼にしては、酷く淡い妄想のようなものを抱いたのは確かだった。