汗で脱げなくなったラバー装備をチュチュゼリーで脱ごうとしたらチュチュにちゅぱちゅぱされた件

「リンク、チュチュを飼いたいのですがいいでしょうか?」

 唐突に、ゼルダにそういわれた時には、さすがに理解が追いつかずに固まった。

 チュチュを飼う。

 チュチュを、飼う……?

「魔物ですよ……?」

「もちろん分かっています。でもキルトンさんが開発したこの特別なマモノエキスを与えると、人間に対する敵意が消えて懐くんだそうです。最新の魔物研究の成果なんですよ!」

 まるでハイリア人とは思えないあの魔物ショップの主といつ面識を得たのか、小一時間問い詰めたいところだが、それよりもゼルダの腕の中で震えるそれを見る。小ぶりな青いチュチュが柔らかなお胸の下でプルプルしていて、うらや……けしからん。

 だが、仔細はともかくとして、到底魔物を飼うなど容認できなかった。ところがゼルダは「もう無理です」と、つんと口を尖らせる。

「もうこの子達はこの特別なマモノエキスを与えて、人間を襲わないようになっています。逆に今、野に放てば人を恐れないので簡単に討伐されてしまいますよ」

「一度ご飯を与えて人間を恐れなくなった動物みたいな……」

「ともかく! 今は厩も空いているのですし、お世話もちゃんとします。だからいいでしょう?」

 特別なマモノエキスは、俺の知っている紫色ではなかった。どピンクだ。何をどうしたらそんなドギツイ色の液体が作れるんだ。

 ダメと言ってももう戻せないだけの理由をちゃんと用意しているあたりがいじらしい。万が一にもゼルダや村の人たちに危害を加えるようならば、恨まれてでも俺がやるしかない。

 ……って、この子たち?

「あの、何匹いるんですか」

「全種類です」

「ぜんしゅる……えっ」

 慌てて家から飛び出し、庭先へ走っていく。ファイアチュチュとアイスチュチュとエレキチュチュと、それぞれ一番小さいサイズのやつが一匹ずつ。のんびりと草を食んでいた。

 ハテノ村の周辺には普通のチュチュしかいないはずなのにご丁寧に全種類いた。いつの間にかき集めてきたんだ。

 っていうか、チュチュの主食って草なんだ、知らなかった。除草してくれるかな。

「こうしてマモノエキスを少量ずつ加えれば、いずれも撫でられるようになるのですよ」

 ゼルダは普通のチュチュを下ろして、燃え盛る赤いファイアチュチュに、ピンク色のマモノエキスをぽたりと垂らす。そしておもむろに柔らかな手を伸ばした。

「危ない!」

 止めようとした瞬間、ファイアチュチュの色が変わった。一瞬で体の温度を下げて、撫でられるのを待つかのように頭をぐいっと差し出す。ゼルダの手がぽんぽんと叩くのを見て、アイスチュチュもエレキチュチュも、同様に氷と雷をひそめて一斉におでこを出した。

 なんだこれ。どういうこと。犬かこいつら。

「ね、ほら。可愛いでしょう?」

 にっこり笑顔で振り返る。楽しそうで何よりでと頭を抱えた。

 不安はぬぐえないが、ここまでされてしまうとどうしようもない。博学で名高いハイラルの姫君は、やろうと思ったら大抵のことは突き通す。それだけの学と根性の持ち主なのは、以前から分かっている。今でこそ恋人として傍にはいるものの、彼女が主人であった頃から本質は一切変わっていなかった。

「万が一、危害を加えれば俺が処理しますからね」

「大丈夫です。絶対にそんなことさせませんから!」

 自信満々に答えた通り、確かにチュチュたちはとても大人しかった。さすがに他の村人たちに不用意に触らせるようなことはさせなかったが、それでもゼルダは毎日のようにやつらを膝に乗せてはマモノエキスを垂らし、大人しくしている奴らの観察している。

 羨ましいやら情けないやら。彼女の日課を傍らで、剣を片手にじっとりと眺めるのが俺の日課になってしまった。

「そういえばどうしてチュチュを飼おうと?」

 今日も今日とて日課のチュチュの観察をしているとき、意を決して聞いてみた。

 白い指先をチュチュたちは楽しそうにかすめていく。その感触にゼルダもにっこりとほほ笑んでいる。

「様々なチュチュゼリーを安定的に供給することができないかしらと思ったんです」

 ほら、と取れたてほやほやの温かい赤チュチュゼリーを差し出される。

 まるで知らなかったのだが、チュチュは攻撃しなくても機嫌がよければチュチュゼリーを出してくれた。元のチュチュのサイズにもよるのかもしれないが、コッコが卵を産むみたいに大体一日一個ぐらいずつポコっと出てくる。

「チュチュゼリーの、安定供給……?」

「チュチュゼリーってエネルギーの宝庫なんです。例えば白チュチュゼリーは砂漠でも一時的に氷が発生させられるでしょう? これってすごいことなんですよ」

 言われてみれば、あの炎天下で一瞬でも氷が作り出せることを考えると、片手に収まる程度の小さなゼリーには何やらすごい力があるようにも思える。

 確かにチュチュたちを飼い始めてから、竈の火を起こすのに火打石も消費していないし、夏の暑い時期だというのにラネールまで雪を取りに行かなくても白チュチュゼリーでアイスが作れた。先日はスパイごっこの最中に大きなコブを作ったアオタの頭を冷やすのにも使った。おかげさまで、魔物を飼うことに対して村人たちからの信頼も得られている。

 このままゼルダが順調にチュチュの飼育方法を確立していくと、下手をしたら我が家の庭先はチュチュ牧場にでもなってしまうのかもしれない。それは嫌だなぁと思いながら、今日取れたばかりのチュチュゼリーを回収していく。

「まぁ、確かにすごいのは認めますけど、でも黄チュチュゼリーは余ってますね」

 普通のチュチュゼリーは大半が水分なので活用場面は様々あるし、使わなければ花の水やりにでも使えばいい。赤も白も、場面は選ぶが使い勝手が良い。しかしながら黄色、つまり雷の属性のチュチュゼリーだけはあまり活用場面がなかった。

 何しろ衝撃を与えると電撃をあたりにまき散らす。ただの危ないエネルギーの塊だ。

「そう、そうなんです。何かいい活用方法ないでしょうか……」

 雷が発生するのにちょうどいいことなんて、いたずらするぐらいしか思いつかない。黄チュチュゼリーは魔物の巣に投げ込んで感電しているうちに武器をかっぱらうのに使っていたので、我ながら酷い案しか思いつかなかった。

「むしろ雷発生するから、誰だって素手じゃ掴みたくないですよ。ラバー装備つけるならまだしも」

「ラバー装備?」

「見せたことありませんでしたっけ? なんか大昔のゴムとかいう電気を通さない素材で作られた装備」

「そんなの持っていたんですか?」

 途端、目を輝かせ始めたゼルダを見て、これはライネルの口に手を突っ込んでしまったかと項垂れた。すぐさま見せて欲しいと言われて、隠し持っていたラバー装備一式を取り出す羽目になった。

 久々に取り出したラバー装備はなんだかちょっと変な匂いがした。元からゴムという素材が普通の布と少し違う匂いがするうえに、通気性が悪い素材なのでカビが生えたのかもしれない。雷から身を護るためにゴムは分厚く、さらに口回り以外は露出がない作りになっていた。

「これが、ゴム……なるほど、なるほど……」

 独り言をたくさん呟きながら、ゼルダはラバー装備を上から下から全部確かめていく。裏返したり魚みたいな形をしたキャップの内側を覗き込んだり。しげしげと素材を確認していた。

 それで満足してくれるならばいくらでも見てくれて構わないと放っておいた。だがそれで満足する人では、もちろんなかった。

「着てくださいリンク」

「えぇ……」

「本当に電気を通さないのか、ぜひ実験を!」

 時期は夏。ラネールからの冷ややかな風が吹き下ろすハテノ村とは言え、さすがに暑いこの時期に、持っている装備の中でも最も通気性が悪いラバー装備を着たいはずがない。

 しかも俺が着て実験台になるということはつまり、俺があの黄チュチュゼリーの餌食になるということ。この人、それ分かって言ってるのかなと首をかしげたが、あんまり気にしていないのか「さぁ! さあ!」と装備を押し付けられた。いつぞやのカエルを思い出す。これは止まらない。

 渋々装備を着ながら、百年前に刷り込まれた主従の癖を恨んだ。

「じゃあ離れますから、黄チュチュゼリーを潰してみてください」

「はぁい」

 全身ゴム素材の装備を着込んだ時点で、元から代謝の良い俺の体は汗だく。この様子では汗の伝うところから電気がびりびり入ってきそうだなぁと思って、でもしょうがないので小手調べに一つ握りつぶしてみた。

 バリバリと庭先に雷が走る。体の方は無事なんともなかった。幸い、汗も問題ないらしい。

 ゼルダは目を大きく丸くして、稲妻が収まると装備の上から俺の体をペタペタと障った。

「本当に、なんともないんですか?」

「大丈夫です」

「なぜなんでしょう……もう一度やってもらっても?」

 黄チュチュゼリーだけは腐るほど余っていたので、それから五個ほど連続で握りつぶしてみた。そのたびに黄色い稲妻が走るがなんともない。

 唯一、電気の爪先が顎に触れた時だけは防御できていない部分なので痛かった。「んっ」と体を震わせると、すかさずゼルダが近寄ってきて細い指先で火花の散ったほほを撫でる。

 ところがそれが、なんだかいつもよりもピリピリと変な感触だった。

「信じられない性能です」

「もうそろそろいいですか? これムレるんですよ」

「はい、ありがとうございます。とても素晴らしい性能ですが、通気性などには難ありのようですね」

 本当に、と生返事をしながらキャップを放り出し、この場で脱ぎ去って庭先の池で体を洗おうと思った。どうせサクラダさんだって庭の方までは見に来ないし、よしんば見られたとしてもパンツ一丁。別に構うもんかと思って。

 厳重なベルト部分を外して腕を抜こうとして。あれっと首を傾げた。

 腕が、抜けない。

「リンク?」

「あっれ……汗で張り付いてる……」

 どうにか腕を引き抜こうとすればするほど、指先までぴっちりと肌に吸い付いた素材が上手いこと体に絡みつく。抜けない、抜けない、抜けない!

 乱暴にやれば破けるかもしれないが、もう抜ければいいと思ってグイっと引っ張ったら。

「だめです! 貴重な素材が破けてしまいます!」

 ちょっと、どっちの心配しているんですか。

 むくれながら、抜けないなりに腕をねじったり、手をグーパーしてみたり。でも一向に脱げる気配がない。汗で張り付いて脱げないラバー装備にもがいていると、暑くてさらに汗が噴き出て余計に脱げなくなっていく。

「どうしよう、脱げない……」

「滑りをよくしましょう!」

「え、ちょ、なにを……」

 するんですかと言い終わる前に、前開きになっている装備の隙間に普通のチュチュゼリーが十個ほど投げ込まれた。

「ひえっ」

「これでどうですか?!」

「なっ、やめ!」

 ぬるりと隙間に入り込んだチュチュゼリーが、ラバー装備と体の間で弾けてドロドロの感触になる。一瞬冷たいと思ったが、瞬く間に自分の体温に温められて、ただのぬるぬる触感に。

「うわ……ゼルダ、これやめてください……」

「まだ脱げません?」

「えっとですね、そうではなくて」

 生唾を飲み込む。悪いけど、ちょっとばかり卑猥な妄想が頭の中に浮かび始める。

 装備の下にはもちろん下履きははいているんだが、それを貫通するほどの汗とチュチュのどろどろが下半身にまとわりつく。これで変なことを考えない男がいたら、それはたぶん男じゃない。

「あの、ほんと、自分でやるんでちょっと……」

 言いかけて、なんだか背筋のあたりがぞくぞくし始めた。下っ腹のあたりに熱が籠るような、なんか不穏な感じ。

 なんだこれ、いよいよ本気で何かがおかしいぞと首をひねる。

「リンク?」

「んッ♡ ……だ、大丈夫です、あっ……ちょっと、ゼルダは向こう行って、んぅ……♡」

 頭までふわふわしてきて、股間が熱くなる。

 なんだこれ、絶対におかしい。嫌だ、こんなところ昼間からゼルダに見られたくない。

 そう思ってもうまく体が動かせず、むくむくと股間が膨らんでいく。なんで、どうしてと、涙目になりながら、ともかく入り込んだチュチュゼリーをかきだしたくてもがく。

 ところがもがく俺の足元に、タプンっとチュチュ本体が躍り出た。

「おまっ……はぁっ……なんだよぉ……ッ♡」

 足腰に力が入らなくなり、無様に柵に縋り付く。すると、チュチュはすかさず俺の膝に飛び乗り、あろうことかそのまま装備の隙間に入り込んだ。

「ひぁッ♡♡」

「り、リンク?!」

「だめ、だめだってばぁ♡」

 普通のチュチュでよかったとどこか思いながら、装備の隙間をまさぐるように動くチュチュを引っ張り出そうと手を突っ込む。ところがチュチュは器用に自分の体を潰しながら、チュチュゼリーでドロドロになった装備の内側を動き回った。そのたびに目玉だの核だの、ゴロゴロした部分が体に擦れて、いい具合に刺激になってしまう。

「うごか、…なぁ……くっ、んんッ♡」

 自分でも頬が紅潮して、顔がとろけそうになるのが分かった。嫌なんだけど、めちゃくちゃ気持ちがよくて、でもチュチュなんかに感じていることを認めたくない。一番には、こんなところをゼルダに見られたくない!

 慌てて放り投げてあったラバーキャップを被り直す。ふーふーと吐息を吐き出しながら前かがみになって、おさまりのつかなくなった体を丸めた。といって、どうすることもできない。高まる衝動ばかりに体がびくびくと反応してしまう。

「リンク、どうしたんです? 大丈夫ですか?」

 急激な変化にさしものゼルダも頭が付いて行かないらしく、おろおろしながら訳もなく俺の体に触れる。分厚い装備の上からとはいえ、トントンサスサスされるたびにチュチュとは別の衝撃が体に走る。

 言葉にはできなかったが、放っておいてほしかった。その、あなたの手こそがチュチュと一緒になって俺を追い詰めていると、なぜこの状態を見て分かっていただけないのですか姫様。

「あの、これは一体……どういう?」

 俺の瞳孔を確認しようとしたのか、こともあろうにゼルダはかぶり直したラバーキャップを外しにかかる。何のために顔を隠したと思っているんだ!と抵抗したが、そのたびに口からはあられもない声があふれた。

「リンク、ちょっと、抵抗しないで!」

「ぜる、だ、……ふっ、…あっ、やッ、みないれぇ………♡」

 呂律が回らなくなり、飲み込めなくなった唾液が伝う。喉元を垂れるそれがまたぞくぞくとさらに剣呑な気配を漂わせた。

 必死の抵抗虚しく、あらわになった俺の顔を覗き込み、ゼルダの困惑はさらに深まる。

 まぁその気持ち、分からなくはない。さっきまで黄チュチュゼリー潰していただけの奴が、いきなり顔を真っ赤にして喘ぎ始めたら普通は困惑すると思います。

 でも俺にはそんなことを説明する余裕はすでになかった。

「ちょ、まっ………はぅッ…らめぇ……♡」

 どうにか入り込んだチュチュとチュチュゼリーを掻き出そうと、自分で装備の隙間に手を突っ込む。

 ところがそれを見たほかのチュチュたちが、遊んでもらえると勘違いしたのか俺の周りに群がってくる。

「おま、らぁ、んんっ……む、りぃ…はぁんっ♡」

 我先にと飛び込んで来ようとするチュチュに対し、開きっぱなしだった装備の前をかき寄せた。しかし相手はチュチュ。どの色の奴だろうとうまい具合に体の形を変えて、隙間を伺う。

 チュチュごときに負けてたまるか、と涙目でずるずる這って逃げようとしたが、隙間から黄チュチュがちゅるんと入り込んだ。

「あっあっ……ふぁあッ…♡」

 もう傍らにゼルダがいることなんか頭から吹き飛んでいた。

 普通のチュチュは背中側に回り込んで尻のあたりに、黄チュチュは脇腹から細長く伸びて生ぬるく体を食む。こともあろうに草をむしゃむしゃするみたいにチュチュたちは俺の体にあってないような歯を立てる。くすぐったいんじゃなくって、これがまた心地の良い刺激になるのでたまらなく腰が浮く。

「や、やめっ……らめ、そこはぁッ♡」

 黄チュチュがハムハムしていった先にはちょうど胸の突起があった。俺がいつもゼルダの胸に吸い付くみたいにして、チュチュの口が突起に当たる。

「ひゃんッ♡♡」

 普段なら何も感じないはずの乳首を、しつこく黄チュチュにこりこりと齧られる。しかもぴりぴりとわずかに電気が通る。ただ食まれているだけではない、異質な刺激に何度も腰が跳ねる。

 もう何が何だか訳が分からない。

 だらしなく口を開けて快楽を逃がそうと息をする。支えきれなくなった体を草地に横たえて、もはや開いた装備のあわせをかき寄せる手に力が入らない。当然のように白チュチュも赤チュチュも、我先にと装備の間に滑り込んでくる。

 なんだこれ。どうしてこんな、変な気持ちになってるの?

 真っ先に下履きの中まで入ってきて下半身に絡みつくあったかい赤チュチュと、まさぐるように動き回ってから黄チュチュとは反対側の乳首にかじりつく白チュチュと。依然として普通のチュチュは所在なさげに尻から太もものあたりを行ったり来たり、時々菊門やら玉の裏を撫でては決定的な刺激を与えずに移動していく。

「もう、ッんぁ♡♡ やめっ………んッ♡」

 家の表にいるサクラダさんたちにだけは聞こえないようにと願いながら、俺の手は戸惑うばかりのゼルダの手を無意識に握りしめていた。

 不甲斐ない姿をさらしていることは一切合切忘れて、ひたすらに腰を揺らして悦楽の波を逃がす。でも赤チュチュにずっぽりと咥えこまれた雄芯はすでにはちきれんばかりになって、自分では一切触れていないのに装備の上からでもそれと分かるほど立ち上がっていた。言い訳なんかできない。

 さらにはまだいまいち理解できないのか、必死で俺の体をさするゼルダの手が追い込みをかけてくる。

「リンク、リンク!」

「だぁっ、め……ぜるだ、おれ、んもうっ……でちゃ、う……ぅッ♡」

 がくがくと足が震え、こすり合わせる内ももにもそろそろ限界。裏筋をゴロゴロ転がしていた赤チュチュの目玉らしきものが、唐突にごりっと強く押し当てられた。

「でぁっ……んあぁッ♡♡♡」

 瞼の裏が真っ白になって、装備の中でびゅくびゅくとあれがほとばしる。何度か背を弓なりに痙攣させて全部吐き出し終わると、チュチュたちは何事もなかったかのように装備の隙間から出て行った。

 残されたのはただぐったり果てた俺と、一体何がどうなったのかさっぱり分からないまま、目の前でイった俺を介抱するゼルダ。

 流石の俺でも、しばらくは自信を喪失していた。

 結局その後、ピンク色のマモノエキスをプルアのところに持ち込んで調べてみてもらったところ、そのほとんどが媚薬成分だったと分かった。つまりチュチュは敵意がなくなって懐いていたわけではなく、媚薬に酔ってすり寄って来ていただけ。

 同様に媚薬に酔った状態のチュチュから採れたチュチュゼリーには少量ながら媚薬成分が含まれており、一度に大量に摂取すると人体も媚薬に酔う。

 つまり、ラバー装備が脱げないからと一度に大量にチュチュゼリーをぶち込まれた俺が媚薬に酔い、それを察知したチュチュたちにいいように襲われたわけだ。

「もう、チュチュ牧場はやめてください」

「ひゃい……」

 あれから、薬を抜くために媚薬を寄越せとまとわりつくチュチュたちの世話をしたのは俺だ。完全に魔物に戻ったのを見届けて、元居たところに戻してきた。そのうちだれかに討伐されるか、あるいはほかの魔物に投げられでもすればいい。随分と優しい勇者になったと思う。

 まったく、ひどい目にあった。

「でも、まさか、リンクがあんなことになるなんて思いませんでした……」

「あの、もう言わないでもらえます?」

「だってあなたがまさか」

 自分の醜態を思い出して耳の先まで熱くなった。

 恋人として確かに肌を重ね合う日々ではあったが、まさか素面なゼルダの手を握って一人でイくとは思わなかった。一人で抜くところを見られるより気まずい。

 というより、そういう姿を初めて冷静に見たという事実に、ゼルダは興味深々の様子だった。何度か蒸し返すように話をするのでそろそろ黙ってほしいなぁと思って、夜のベッドに押し倒す。

「ゼルダ、そろそろいい加減にしてくださいね」

「だって必死の顔が可愛かったんですもの……」

「だったらあなたもなってもらいます」

「え……へっ?!」

 ベッドわきのチェストから取り出すチュチュゼリー。たっぷり腕に抱えるほど準備しておいた。

 ニヤリと悪い笑みを浮かべながらベッドの上で迫る。真っ青になったゼルダは腰を抜かしたまま、じりじりと下がっていく。でも逃がすわけがない。

「まっ待って、待ってくださいリンク!」

「嫌です、俺だって恥ずかしかったのに。今度はゼルダの番ですよ」

 仕返しとばかりにチュチュゼリーを潰して、柔らかなお腹や胸や、あるいは秘所にまでたっぷり塗りこめていく。その晩のゼルダは、いつにもまして乱れて可愛い声で鳴いて、何度も何度も果てた。すごく可愛くってめちゃくちゃ興奮した。

 当然のようにベッドはぐしゃぐしゃに濡れて、次の日は全部洗濯。晴れた美空に白いシーツがぱたぱた。いい天気だった。

「気持ちのいい風ですね」

「……もうチュチュなんか飼いませんっ」

 それは何より。反省してくれるならば尊い犠牲を払っただけのことはあった。

 でも、と俺は意地悪い笑みを浮かべる。

「昨晩のチュチュゼリー、あれ全部普通のですよ」

 ひえっと息を飲む声があって、耳まで真っ赤にしたゼルダにぽかぽかと叩かれた。全然痛くないので、たまにはチュチュゼリーもいいなぁと笑った。

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