傍らの青の一途 - 2/13

 

プロローグ 白き女神

 光り輝く、というのに人影というのも不思議な話だ。

 しかしゼルダが駆け抜けると確かに煌めきが尾を引いて、彗星のように闇夜が切り裂かれていった。

「このハイラルを、守ってみせます!」

 華奢な腕を一振りすれば一帯の魔物を滅し、あるいは一歩踏み出せば赤黒く燻る怨念が消し飛んでいく。

 無才と揶揄され、ずっと俯いていた姫君はもはやいない。ついに目覚めた姫巫女から溢れ出た光は、ハイラルの全てを照らし尽くす。

 この方こそ女神だと、青い双眸は確かに姫巫女を捉えていた。