不可知の獣 - 11/14

8*我が唯一の望みに・愛、あるいはユニコーン

 世界は灰色に染まり、花には香りもなく、どこにもぬくもりが無かった。涙の苦さも知らず、鳥のさえずりさえ聞こえなくなっていた。

 それをあなたは取り戻してくれた。

 だから、その全てを棄て去ることであなたが守れるのなら、私は喜んでこの身を投げ打つ。