『不可知の獣』を読んでいただきありがとうございます。
だいぶ恥ずかしさが限界突破したので、途中から無心で投げ続けていました。
最後まで伴走していただいた方々には感謝です。
元ネタとしては、フランスのクリュニー中世美術館にある(実物は見たことない・すごく見たい)6枚のタペストリー『貴婦人と一角獣』です。
オタクとしてはどちらかというとユニコーンガンダムに出てくるという点で知っている方もいらっしゃるのかなと思ったり。
ユニコーンという想像上の生物に関して言えば『乙女(処女という意味での)の膝で眠ったところを狩人が捕らえる』というのが通説としてあります。
それをおそらくベースとして、『貴婦人と一角獣』のタペストリーは乙女の五感に関する悦び+最後に「我が唯一の望みに」と描かれたタペストリーがあります。
この「我が唯一の望みに」というのが何を指し示しているのかは諸説あるため、正解が何かは分かりません。(詳しくはWikipediaが簡単かと思います)
各タペストリーの五感に関する内容は以下の通り
味覚:飴玉
聴覚:パイプオルガン
視覚:手鏡(つまり自分)
嗅覚:花
触覚:ユニコーンの角
我が唯一の望みに:ネックレスを小箱に仕舞う、あるいは出すしぐさ
五感の5枚のタペストリーで得られた悦びを、六枚目でネックレスを箱に戻して封じて愛(結婚)を悟るとも、逆にその悦びをネックレスとして身に付けるとも言われています。
さらに五感のさらにあとに来て「理解すること」という六番目の感覚を指し示すという説もあります(ユニコーンガンダムはこれですね)
今回は「自由意志により五感を封じた先にある愛、あるいは結婚へ至る身の戒め」と「未知なる六番目の感覚」という解釈のブレンドをとっています。
加えて、私自身が根っからの生物屋・SF畑の住人のため、五感に関してはそれなりに現実の生理現象と結びつけています。
SF+ファンタジー書きの手癖でリンゼルでもSFもどきをやっちまったので、勝手に自首する言い訳コーナーお付き合い下さい。
【味覚】
感情とはあまり関係ない、と見せかけて、実は恋をすると甘味を強く感じるようになるらしいという眉唾な知見を得まして、ハイ
もうこれは使うしかねーなと思った次第です
ちなみに味を感じる器官は舌の表面にある味蕾と呼ばれる部位ですが、いくつか種類があって、それぞれ感じている味の種類が違うんです。
しかも味蕾の種類ごとに分布があるらしいので、どの味蕾がどのあたりにあるのか昔人体実験をしてみたんですが(目隠しをして砂糖水や塩水などを舌につけてどこが強く感じるか言ってもらう)、個人差が大きくてあまり参考になる結果は得られませんでした。
実験の精度が低かったのでしょうか…それにしても人体実験は実に楽しゅうございます。
【聴覚】
あまり人間では発達していませんが、生物的には聴覚が求愛行動の一番最初のステップになりがちです(嗅覚もフェロモンがあるので最初になりやすい)
それを踏まえると、人ってだいぶ聴覚に頼る恋愛感情というのはないようにも思えます(求愛行動に関わる特異な発生がない)が、声に萌える・声フェチなどもあるのであながち間違いではないのかも。
【嗅覚】
これも人間ではあまり・・・と思いきや、話の中でもありましたが「相性のいいヴァーイとヴォーイは匂いで惹かれ合う」はマジです。
比較的無意識下の行動様式のようですが、女性の方が体臭に関しては敏感に相手を選別するファクターに使っているみたいです。
ちなみに原理が意外と興味深くて、体臭=汗の成分から相手の男性の免疫的な特性を読み取っているようです。
つまり女性側としては「自分が保持していない免疫に関する遺伝子を持っている男性のことを好ましく感じる」→「子供が病気に強くなり生存率が上がる」という仕組みらしいのですね。
ですから体臭が好ましいと感じた相手は、性格があうというよりも遺伝的相性が良い方向が強いのだとか。
リンゼルが体の相性悪いわけがない(語弊のある言い方)ですから。
生物屋、ここぞとばかりにアクセル全開でごり押しますよ。
【視覚】
人は見た目が何だとは申しますが、実は本当に好きな人を目の前にするとドキドキする=アドレナリンがドッバドッバ出て瞳孔が開き、目に入る光の量が増えると言われております。
そのため好きな人の顔がなんだか上手く思い描けない=視界には入っているのだが視野が明るくて上手く脳が記憶できていない、なんてことも起こるのだとか・・・ほんまかいな??
逆に、瞳孔が開いた状態を見ると黒めが大きいわけですから、目が大きく見えて可愛く見えるというダブルミーニング(ダブルミーニングの意味わかってない横文字苦手おじさん)
ということで、きっとドキガムネムネの姫様は黒目が開いて、リンクさんからみたら瞳も大きく見えるようになっていて超絶可愛くなっています(当社比三倍)
【触覚】
人体が最も強く感じる感覚です。他の感覚のはるか上をいくらしいです。
そのため「なんか痛いなぁ」と思ったときにゆっくり撫でてあげると痛みが消えるように感じるのはあながち間違いではなく、「触れる」という刺激で「痛み」の上書をしているようなものなのですね。
触れるって大事なことで、それだけで幸せホルモンであるセロトニンが出るらしいです。
ハグ20秒でセロトニンって出るらしいんで、ハグできる相手がいるならばセロトニンのためにハグってもいんじゃないでしょうか。
私はリンゼルのハグ見るだけでセロトニンが出るように調教されたのでもう大丈夫です。
【第六感】
これはもうスピリチュアルな方から、医学的な分野まで、玉石混交の所説いっぱいあるのでどこを突いたらいいのやらという感じでございますね……。
なのであまり考えずにぶっこんだ要素。
ただ、ただの勘だと思っているものが、いわゆる学習における先読み技術である場合はあると思います(伏線)
ということで生物屋のたわごとでした。
自分でも「この話分かりづらいな」と思って書いていたので、全部追っかけてくださった方、五体投地で感謝です。
お付き合いくださり、ありがとうございました<(_ _)>