お食事の時間 - 4/4 駅近くの林の中で男性と女性、二人の遺体が発見されたのはその日の夕方だった。服がはぎとられて、金目のものが無くなっていた。近くには殺された被害者たちの物ではない血だらけの赤いワンピースと白いロングスカートが脱ぎ捨ててあり、誰のものかも分からない古臭いカビだらけのトランクが空で放置されていた。凶器は見つからなかった。 ただどこを探してもその被害者たちの遺体のうち、頭部だけは発見されなかった。 青年は生きていた。そしてきっとまだ、彼女たちも生きている。 了 一次創作に戻る 1 2 3 4