〇月〇日
血液を舐めさせることと口付けをすることが日課になった。
まずは口輪を外して好きに噛ませる。彼は好んで首筋に食付いたが、しばらく溢れる血を舐めると落ち着いて、続いて口付けをするようになった。血と唾液、調子が良いとさらに私の体をひっくり返して、猛るものを私の蕃登に押し込んで腰を振った。背に爪を立てて溢れる血を舐めて、嬉しそうに首筋に鼻を埋める。
そのまま熱が収まると寝入ってしまう日もあったが、うっすらと人の意識が戻る日もあった。半々ぐらいだろうか。
人としてのリンクが戻るとき、それは静かに嗚咽を堪えて泣き始めるのが合図だった。ちゃんと人らしく泣き始める。それが私は無性に嬉しくて、構わないからもっと舐めてと頭を撫でた。
手荒に抱かれ過ぎて、もう腕も胸も化粧なしには人前に出ることができないような状態になっていたけれど、次第にリンクが人で居られる時間が伸びてきているのが何よりも嬉しい。そうやって人としてちゃんと寝てくれる日は、傷の手当ても出来るし、体を休ませてあげられる。
侍女たちにはだいぶ痩せたと心配されたけれど、でもなりふり構っていられない。必ず助ける。