〇月〇日
やはり口移しで彼の意識がわずかにでも戻ったときのことが忘れられず、もう一度試してみることにした。とはいえ、口輪が付いている状態で口移しをするのは難しい。
そのため色々と要因を考えてみたのだが、もしかして私の体液(種類は不明)を摂取したことが一つの要因ではないかと推測した。口移しで水を与えた時と鍵を忘れて襲われた時、共通しているのは私の体液を彼が摂取したときだったので。
ならば血液はどうだろう。
唾液よりも取り出しやすいし、古来から血には不思議な力が宿るともいう。
試しに指先を切って試験管に血液を貯めて、彼の食事に混ぜることにした。もちろん最初は少量から始める。