青年期の終わり - 3/9

2 彼女の憂い

 

 リンクに関して、私が違和感を覚えたのがいつだったのかは、はっきりとした記憶はない。

「まだ欲しいものが無いとは、無欲がすぎるのではないか、リンク」

 お父様の何度目かの褒賞に関する問いかけに対しても、彼は「欲しいものは思いつきません」と答えた。遠慮をしているのかと思ったのだがそういうわけでもなく、本気で欲しいものが無いのか困った顔をしている。

「本当に思いつかないのですか?」

 間髪入れずに私からも問うと、彼はうーんと首を捻ろうとして、それをハッと止めた。それから頭を元の位置に戻して、口を引き締めて思案顔になった。

 以前であれば折れんばかり首を捻っていただろうに、今ではぎこちないなりに作法が整ってきている。

 いや、本当にこれがそうなんだろうか。

 作法を気にすると言うよりかはむしろ、人目を気にしていると言うか。それは同義のようで少し違う気もする。

 いつだったか、どこぞの貴族が「腕っぷしはよろしいが、どうも作法が苦手なようですな」などと、私と彼が少し離れた時を見計らったかのようにやられた。彼は怒りもせずに「なにぶん田舎者なので申し訳ありません」と丁寧に頭を下げていた。

 それを見つけて無性に腹が立った。

 どうして彼の主君たる私に直接それを言わないのか。家臣の無作法は本来であれば主君たる私の不徳だ。なぜそれを彼に言う、私に言わない。

 理由は明白。多少責め立てたとて抵抗しない『無才の姫』が、封印の力の目覚めによって居なくなり、矛先が『田舎者の騎士殿』に変わったから。奇しくも私のせい。社交会と言う場に集う貴族にとっては、面白おかしく言って楽しめるものを見つけるのが何よりも大切。それが誰であろうと何であろうとも、彼らは一向に気にしない。

 田舎者の騎士風情が、姫君の傍付きとはいかがなものか。

 私にまで聞こえてくるのだから、本人は相当近くで聞いているに違いない。本当に質が悪い。怒りと同時に、悪意ある言葉から自分の家臣すら守れない自分が不甲斐なくて腹立たしい。

 嫌味な貴族を彼から引きはがすように間に分け入り、慌てる無礼者に「私の騎士が何か失礼を働いたでしょうか」と問えば、案の定慌てて去っていく。本当に忌々しい。

 一体誰のおかげで自分の命や財産が助かったと思っているのか。

 厄災との戦さが終わって安全な場所から舞い戻って来た貴族たちは、金は出したが口もよく出す。おかげで随分と復興が速く進んではいるものの、やりづらさといったら尋常ではない。

 それが貴族というものだからと頭では分かっている。だからと言って一番の功労者に、これ以上どんな無体を強いるつもりなのだろう。

「不調法なのは事実ですし、俺は大丈夫です」

 うっすらと睨みつけたままの私の横で彼は何でもないような顔をしていたが、その瞳はわずかに曇っていた。

 それからというもの、表情が強張ることが増えた気がした。正確に言えば、私がようやく彼の様子がおかしいと気付けるようになった。だから本当に強張り始めたのがいつからなのかは分からない。気が付いたらそうなっていた。

 時折、凍ったように顔から表情が消える。その時間が、頻度が、わずかながら徐々に長くなっていく。

 彼の闊達だった気質が凋落し、青く澄んでいた瞳が陰っていくような、漠然と胸騒ぎが強くなっていた。職務に実直な彼の微々たる差を見つけるのは容易ではない。でも、ずっと傍に居ればなんとなく分かる。

 だから、ふいに触れた手に声を上げて驚いた彼を見た時、こんなことで素のリンクに戻るのかと驚きが隠せなかった。それに単純に面白かった、だってまるで飛び上がった子猫みたいだったから。

「そんなにびっくりしました?」

 陰っていた青が見開かれた瞳の中でまん丸く光っている。そう、この瞳の色。私の大事な色。これは下手に他の者に見せてやりたくない、私だけのものだと思った。

「えっと、はい。すいません」

「リンクでも驚くとそんな声が出るんですね」

 見上げると少し近衛兵の帽子が曲がっている。こんなところ、鏡にだって見せたくない。

 手を伸ばして直そうとしたが、ドレスのせいで肩が上がりづらい。存外、彼の身長は伸びて、随分と視線が高くなった。肩幅も広くなったし、心なしか手も大きくなった気がする。

「また背が伸びましたね」

「ちゃんと食べて寝られるようになったからだと思います」

 素直に頭を下げたので、一番見栄えのするように直した。

「はい、これで大丈夫」

「ありがとうございます」

 それからというもの、私は思い立つとリンクの手を突いてみた。二度目までは驚いてくれたけれど、三度目からはさすがに気づかれるようになった。誰かがいるときは応じてくれないが、誰の気配もないときは遊びに応じてくれる。しかもそうとは頼んでもいないのに帽子を直す権利を私にくれた。

 本人も気が付いていないようだが、帽子がずれている時だけ彼は素に戻る。間隙を縫うようにして、私は何度も彼の帽子に手を伸ばした。だが帽子を直すとすぐに元の騎士の顔に戻ってしまう。無駄なことだと囁く心を無視して続けるのは、思えばどうしてなのか、その時はあまり良く分かっていなかった。ひたすらに彼の表情が凍り付いて、解けなくなってしまうのだけが怖かった。

 しかしながら、ずっとこんなことを続けているわけにもいかない。彼が本当の意味で陰る前に何か手立てをと思って、何とは無しに聞いてみた。

「そういえば、リンクはどんな時に幸せを感じるのですか?」

 執務の合間、侍女がお茶を持って来てくれた折をみて、質問を投げかける。リンクの方も人目を分かっていて大仰な反応はしない。ただし、問われた意味を測り兼ねて、答えに窮していた。

「もう幾度も褒美について『欲しいものが思いつかない』と言いますけれど、褒美というのはつまるところ、それをもらったら幸せになれる物や事ですよね」

「確かにその通りです」

「ですから、リンクが幸せだなと思うことを教えてもらえたら、何が欲しいのか分かるのじゃないかしらと思ったんです」

「俺が幸せだと思うこと……?」

「試しに何か、例を挙げてみてもらえませんか」

 すると静かに考え込んでから、指を折り始めた。

 美味しいものを食べている時、たくさん寝られた時、練兵場に一番乗りした時、遠乗りでいい景色を見つけた時、城下で買い物をして少しおまけしてもらえた時。聞いていてちょっとほほえましくなってしまったけれど、彼らしいと思いながら、そのあたりにあった裏紙に箇条書きを連ねていく。

 続けて、たまに会える英傑たちの方へ話が飛ぶ。ダルケルに相棒と呼ばれて背を叩かれ、あるいはミファーからまた「無茶してない?」と聞かれ、リーバルに腕が鈍っていないか試され、ウルボザから姫様の近況を聞かれて答えて、それから、それから。

「あと、姫様が嬉しそうなとき、ですかね」

「私がですか?」

 思わず手が止まった。メモから顔を上げてみるも、彼の表情は先ほどから変わらない。いずれの項目においても声色さえ変わらないのは、幸せがそれぞれ同じ重さを持つからなのか。などと考えていると、じわりとインク染み。引き上げたペン先が行方を彷徨う。

 動揺を察してか、最後の項目にだけ彼らしからぬ注釈が付いた。

「お力が目覚めなかったときは、だいぶ沈んでおられたので。だから今のように、生き生きとされているお姿をみると、なんだか安心するんです」

 安心することではなくて、今はリンクの幸せだと思うことなのだが。けれど、わざわざ指摘するのも無粋かと、ふっと笑って終わりにした。見計らったかのようにノックが三つ。入室を許可する前に飛び込んでくるのは案の定プルアだった。慌ててメモを裏返す。

「ひーめーさーまー! サインを、サイン頂戴ッ」

「俺は外に控えております」

 リンクを押しのけたプルアは、私の目の前に新しいガーディアンの研究費に関する書類を押し出す。重たい扉の閉まる音が終わると、残ったプルアがにんまりと笑って私の方へ顔を寄せた。

「なになにー内緒話でもしてた? もしかしてお邪魔だった?」

「いいえ、リンクの褒美について少し聞き取りを」

「あー無欲だからねー剣士クン。でもほっといたら、そのうちなんか言い出すんじゃない?」

 お父様も同じことをおっしゃっていた。時間があるのだから焦る必要もない、リンクを急かすなと。

 だが果たして、本当にそうなのだろうか。

 彼の表情が強張り、瞳の色が陰っていくのは、私の勘違いなのだろうか。勘違いならそれに越したことはない。でもそうではないのなら、残された時間はそう長くないのではないか。

 でもそれを説明するには、あまりにも自分本位な感覚的すぎて、適切な言葉が思い浮かばない。苦し紛れに他の人にでも分かるように説明するとなると、客観的な指標が必要で探し出したのは口数のことだった。

「リンクは元から口数が多い方じゃありませんけど、最近、輪を掛けて減った気がしませんか」

 我ながら迂遠な言い回し。そんなところまで一々見ている人など私以外にいるだろうか。それに単に近衛騎士らしくなってきただけという説もある。

 ところがプルアは腕組みをして、ははーんと頷いた。みなまで言わないのに、それだけで分かった顔をするのだから、本当にこの人は空恐ろしい。まさかとは思うけど、敵に回したくないものだ。

「なんでそういう風になっているか、姫様は分かってるの?」

「察しは付いています。おおかた貴族たちの陰口が原因でしょう。叩いて面白い無才の姫の代わりに彼がやり玉にあげられている」

「んーまぁ、ギリギリ及第点ってとこかナ」

 おや。どうやら間違いではないけれど、何かが足りないみたいだ。

 見上げると、プルアは目を細めて笑っていて、この手の観察眼にかけては太刀打ちできないなと思った。いつもふざけているようでいて、彼女の目端は恐ろしく鋭い。

「より正確に言うなら、リンクは自分のせいで姫様が悪く言われんのが嫌なわけヨ。自分自身が言われることより、下手を打った自分のせいで姫様が悪口言われる、それが嫌だから頑張って頑張って頑張って……まーそんなに頑張ったら疲れるに決まってるじゃん? ホント、息抜きを知らない馬鹿真面目一直線って感じかな」

「そんなことないのに」

「もちろん直接本人から聞いたわけじゃないけど、でもあいつならそう考える。……って姫様も思わない?」

 否定はできなかった。

 近衛騎士に登用すると伝えた時も、驚いた次の瞬間にはもう顔を引き締めていたのを思い出す。近衛騎士だった父親への憧れを話には聞いていたのでもっと喜ぶかと思ったら、それよりも彼は責任の方を重く受け止めていた。

 それを踏まえても、プルアの予想はおそらく大きくは外れていないと思う。

「んで、つまり姫様はそんな風に落ち込んでいる剣士クンを励ましたくって、褒美をあげたらどうかなってわけだよね」

「そう、いうことになってしまいますかね」

「だから、姫様ならもう分かると思うけど、褒美はあんまり効果ないと思うわけヨ」

 容赦ない言葉に落ち込まないというわけではなかったが、理由無く否定する人ではないことも知っている。それにプルアの言いたいことが、ようやく話の核心が見えて来た。

 彼女は右手の人差し指を顎にやって首を傾げる。

「根本的に原因を取り除かないと、一時的に褒章によって気分が向上しても元の木阿弥でしょ? 姫様が行うべきなのは、むしろ剣士クンへの貴族たちからの嫌がらせをどうするかだよネ」

 言われてみればそれもそうか。たいていのことは食べて寝ればどうとでもなると、リンクは言いかねない。というか、見ていれば分かる。それでも回復しきれないものの蓄積結果が彼の表情を硬直させていくのだとすれば、私がしてあげられるのは回復を助けるよりかは被弾を避けること。

 しかし私自ら盾になろうとすると、むしろ彼の方が気付いて盾になってしまう。曰く、騎士は主君を守るものだから、と。これでは彼を守りようがない、むしろその立場に押し込めたのは私自身だ。

「私がリンクを窮屈なところに縛り付けてしまっているんでしょうか」

「かといって、あれほどの逸材を手放すわけにはいかないでショ、平時の今は特に。元・退魔の騎士を王家の姫君が召し抱えていることにこそ意味があるんだしネ」

 手を動かすように促され、サインをする前に一応書類の中身を検める。全然内容が頭に入って来なかった。

 こと、リンクに関しては、様々なことがなかなか上手くいかない。公共事業などの方が、よほど解決方法が簡単でありがたいぐらい。

 ただ、プルアと話したことによって、一つの解の姿が見えただけでもかなりの進歩だと思う。一人で悩まずに相談してよかった。

 リンクが気付かないように、私の方から彼を守る方法。

 リンクから本来の表情が完全に消えてしまう前に、どうにか解決策を見つけなければいけない。少しだけ前進、前向きになれた。

 法外なことが書かれた書類ではないことだけは確認し、いざサインをしようとペンを取り上げたとき不意にドレスの袖口が当たって、伏せておいた先ほどのメモ書きが落ちた。あ、と声を上げる前に手持無沙汰にしていたプルアが空中で、二本指で器用に挟み取る。返して言う前にメモを見た彼女は「は?」と眉を潜めた。

「美味しいものを食べてるとき? たくさん寝られたとき……? ナニコレ」

「えっと、それは、先ほどリンクに聞いた、リンクが幸せだと感じることだそうです。何か褒賞を考えるうえで参考にならないかと思って」

「ふっはっ! マジで!? なんか、これ、ごめんウケる」

「笑わないでください! 彼に何をあげたらいいのか、本当に迷ってたんですから!」

 もう要らないメモ書きだが、第三者に見られるのはあまり良い気がしない。取り返そうと必死に手を伸ばしたが、彼女は面白がって脱兎のごとく手の届かない部屋の隅に逃げて行ってしまった。ニヤニヤしながら最初から最後までじっくりと丹念に舐めるように読む。

 私はプルアからも彼を守らなければいけないのかもしれないと思ったりして。これはちょっと手ごわそう。まだしもインパの方がどうにかなりそうなのに。

 だが、メモ書きを最後まで読んで突っ返してきた彼女は、微妙な顔をしていた。

「あーこれはー、ちょっと状況が厳しいネ」

 彼の幸せを一々見つけ出してそれを叶えてあげるより、もっと根本的なことをせよと言ったのはプルアのはず。それを今更手の平返しするほどの内容が、あのメモの中にあっただろうか。

「何か問題が?」

「根本的な解決が難しいっていうか、いやむしろ状況を悪化させそうなことが国家的に難易度高すぎ案件みたいな……」

「どういうことです?」

 言っている意味が良く分からない。困り顔をしているプルアを、半ば睨みつけるようにしてしまうぐらい、私は眉をひそめた。

 机に置かれてトントンと指で突かれる。プルアは扉の外に声が漏れないように、一段と声を落とした。

「まるでこれ、姫様に恋してるみたいじゃん」

 彼女の赤く彩られた爪の先が指し示す先、それは最後にリンクが呟いたもの。私が思わずインクの染みを残してしまったところ。

『姫様が嬉しそうなとき』

 いやまさか。全身に動揺が駆け抜ける。

 彼が、私に恋してる?

 馬鹿なことを言わないでくださいと一言いえば済むはずなのに、上手く声が出て来ない。代わりに心の奥の方に熱く蝕む疼きのような気配を感じた。

「分かってると思うけど、姫様の王配は貴族派から選ばなきゃいけない盟約があるから、リンクは選べない。無理だよ」

「そんなことは周知の事実です。それよりも先ほど根本的な解決を、と言ったのはプルア自身ですよ」

「姫様、分かっててわざと問題を逸らしてるでショ。自分の気持ちに無自覚な剣士クンが、姫様が他の誰かと結婚するところ見て、これ以上落ち込まないでいられるのかって問題。って言うかあのメーワクな盟約、剣士クンは知らない可能性すらあるよネ?」

 酷く喉が渇いて、上手く返事が出来なかった。

 ゼルダの名を持つ私が、あと数年以内に婿を迎えて将来の王配に据えるのは言わずと知れたこと。だが、その人物は貴族派から選ぶ必要があるのだが、それについては誰も言わないが公然の秘密だった。お父様が騎士団派だったがゆえに、バランスを取らねばならない。

 もちろん復興半ばのハイラルの現状を思えばそんなことは二の次三の次。今はまだ、続々と戻って来る貴族たちが互いに牽制しあいながら、私との接点を探っている状況。水面下ではすでに王配の座の取り合いは始まっているが、言うほど顕著ではない。

 だが宮仕えの歴の浅いリンクにとっては、厄災への備えで慌ただしかった時期の方が圧倒的に長い。本来の、平時の宮中の生き辛さを知らない。自分が仕える主がどんな価値でやり取りされる人間なのか、私の真価を深く理解しているわけでもない。

 指摘されて気が付くが、その落差は非常に危険なものに思えた。

「リンクのことがいくら大事でも、どうすることもできない事ってのはあると思うヨ」

「分かっていますプルア、言わずともそれぐらい」

 それなのに、いつもの遊びの最中に彼の手が気まぐれに私の手を捕まえたとき、手放すまいと指を絡めた。向こうから捕まえてくれたものをどうして手放せる? 自分の大事な騎士を、むざむざ手放すなんてできない。

 その遊びが例え一時的な救済なのだとしても、暗く落ちくぼんだ感情の泥沼からあたかも助けを求める手を振り払えるほど、彼への私の感情は小さくない。驚いたまま今度は彼の方が固まった。ずり落ちていない帽子がいまだ彼を騎士に縛り付けているならばこんなもの、一時でも私の手で取ってしまおう。空いた手を伸ばして帽子を握りしめ、睫毛の影を作る夕日からも隠す。私の大切な騎士の無防備な姿は誰にも晒したくない。

 ああ、少し遠いなと思いながら背伸びをした。きっとまた背が伸びた。

「こんなことをしたら、あなたはどんな顔をするの?」

 喜ぶのか、それとも嫌な顔をするのか、それとも私を軽蔑するでしょうか。嫌がるのならもう遊びはお終いにしようと心に決めて、短く口付けをした。

 背伸びをやめてしばらく、驚いたまま動かなかったので奪っていた帽子を返す。すると彼はハッと気が付いて、形の良い耳を先まで赤くして、口元を隠した。近衛兵の帽子が戻っても彼はしばらく彼のまま、青い瞳が戸惑いながらも強く輝いていた。

 それが酷く愛おしい。もし彼が恋をしていたとして、私はそんな彼が狂おしいほど大事。非対称ながらも想い合う関係なのだと分かって、だから駄目だと分かっていても帽子を時々奪うことにした。

 こんな私たちを形容する言葉が見つからない。いびつすぎる。

 だって私はリンクの心が壊れるのをどうにかしたい一心で、彼は与えられるだけを待つのみだったのだから。